同行者の索引
C O M P A N I O N S
未明は、どの夜も、哲学者をひとりだけ同行者に借りて歩きます。ここは、これまでに招いた30人と、その原典の索引です。日付ではなく、思想家のほうから夜を辿るための一枚。
名前は五十音順。書名をたどれば原典へ、夜をたどればその人と歩いた記録へ。
ハンナ・アーレント
労働・仕事・活動を分け、人が世界に残すものを考えた。
アウグスティヌス
時間は、過去も未来も、心のなかにしかないと書いた。
アリストテレス
徳を過不足の中間に置き、友愛を三つに分けた。
ベネディクト・アンダーソン
国民とは、頭のなかにだけ在る想像の共同体である。
ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタイン
語りえないものは、存在しないのではなく、自らを示す。
シモーヌ・ヴェイユ
根をもつことは、魂のもっとも重要な要求である。
J・L・オースティン
言葉は事実を写すだけでなく、それ自体が行為である。
ジョルジュ・カンギレム
正常とは平均のことではない、と医学の内側から問い直した。
セーレン・キルケゴール
選ばないでいる私は、まだ何者でもない。
デヴィッド・グレーバー
貨幣より先に、負債があった。値段は関係を清算する道具でもある。
國分功一郎
する・されるの外側にある、中動態という古い文法を掘り起こした。
J=P・サルトル
実存は本質に先立つ。人は自らを選び続けるほかない。
ゲオルク・ジンメル
貨幣がすべてを比較可能にするとき、何が失われるかを見た。
バールーフ・デ・スピノザ
感情を裁かず、自然の出来事として理解しようとした。
アダム・スミス
市場を説く前に、他人の幸福が自分に必要になる不思議を見つめた。
フリードリヒ・ニーチェ
約束できる動物として、人間を定義し直した。
トマス・ネーゲル
どこでもないところからの眺めが、何を失わせるかを見た。
マルティン・ハイデガー
終わりを引き受けたときだけ、可能性は重さを持つ。
ブレーズ・パスカル
人は退屈から逃れるために、わざわざ苦労を買う。
イアン・ハッキング
人を分類すると、その人は分類に合わせて変わっていく。
エーリッヒ・フロム
持つ様式と、ある様式。所有は安心と同じだけ不安を生む。
アンリ・ベルクソン
測れる時間と、生きられる時間を分けた。
ヴァルター・ベンヤミン
複製できないもの、一回きりの「いま・ここ」をアウラと呼んだ。
シモーヌ・ド・ボーヴォワール
老いは、他人の視線を経由して、外から到来する。
マイケル・ポランニー
私たちは語れることよりも多くを知っている。
モーリス・メルロ=ポンティ
私たちは身体を持つのではなく、身体である。
マルセル・モース
贈与には、与え・受け取り・返す三つの義務がある。
ポール・リクール
人は物語の形でしか、自分を理解できない。
エマニュエル・レヴィナス
誰のものでもない「ある」のざわめきを、不眠のうちに見た。
和辻哲郎
人とは個人ではなく、間柄そのものだと考えた。
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